内免許への道-2-

内免許1内免許申請に必要なものは、申請書と添付資料ですが、結果から話しますと私たちの場合は申請書13ページ(ビールと発泡酒各々)、添付資料約50ページになりました。
これらすべてについてお話しする事はしませんが、いくつか苦労したものなどをご紹介したいと思います。

まず、免許は人と場所を限定して付与されるので、これをはっきりしなくてはいけません。人はベアレン醸造所という法人で申請しているので、それほど問題はありませんでした。前回紹介した要件を満たす資料が必要になり、木村は国税を滞納していない事などを証明する誓約書を書いています。

問題は場所の方で、当初は広い敷地の中でどのようにブルワリーを建設するか紆余曲折があり、また地番の引き直しなどもあったので、正確な申請場所の特定までに少々時間がかかりました。最終的に現在建設している場所を特定し、図面とともに公図の写しを添付し、提出しました。

要件の中に、経営の基礎が確立している事とありますが、新会社のためここの説明には念を入れました。特に、昨今は不景気の上、地ビールは下火で廃業するところが多いので、税務署としても免許を与えたはいいが、すぐにつぶれてしまっては困るという事で入念にチェックされました。まず、事業もくろみ書で製造能力から、製造見込、販売計画と列記しその根拠、さらに原価試算や損益試算表を作成しました。そして、販売の大部分をお願いする酒類卸の成瀬からいただいた販売目論見書を添付して提出しました。結局、この部分が一番多く、全50ページの添付資料の中で16ページを費やしています。

それから、資金の明細と調達方法も明記しなくてはなりませんが、私たちの場合自己資金のほかは銀行融資なのですが、この銀行融資にも証明書を付けなくてはならず、これにも時間がかかりました。当初は話しを聞いてもらえる銀行を探すのも苦労しましたが、担当の方に納得していただいてからも手続にかなりの時間を要しました。

その他、資料をすべて揃えて、内免許の申請を行ったのが7月9日です。3月から相談に行っていましたので、約4ヶ月もかかってしまいました。そして、提出に行くと随分時間がかかりましたね、とくぎをさされた上、審査には約4ヶ月かかりますのでご了承ください。と言われ、唖然としてしまいました。

4ヶ月・・・その時は何とか秋のうちには発売したいと考えておりましたので、4ヶ月という時間に呆然としてしまったのです。あのー、最大で4ヶ月という事ですよね?と恐る恐るたずねてみましたが、いえ、4ヶ月かかると思ってください。というつれない返事。今となっては工事が遅れたので、問題ありませんでしたが、その時は途方に暮れたものでした。

その後、税務署から毎日のように資料の不備を指摘され、提出した資料の訂正や補足、または資料の追加に税務署に日参しました。盛岡税務署は事務所から歩いて10分程度のところにありますが、暑い夏の日、木村と二人で税務署までの道を歩いたのを思い出します。

内免許2その後、申請は仙台国税局へ上がり、ここで最終の審査を受けます。仙台国税局から担当の方が来られて、色々と建設的な話しをしていただいたのもこの時です。その後も、仙台国税局からの問合せで資料の補足などに税務署に通いましたが、9月半ば頃より連絡がなくなり免許付与は今か今かと待つ日が続きました。

そして、10月18日、盛岡税務署より連絡があり、内免許の通知が来たので取りに来るようにとのこと。翌週の月曜日、22日に税務署に赴き、ようやく内免許付与と相成った訳です。大丈夫とは思っていましたが、ほっとしましたね。

秋空の下、木村と二人でおそらくそれまでで一番晴れやかな気持ちで、税務署からの帰り道を歩いたのでした。

しかし、本免許取得までの道程はまだまだ長いのでした・・・その話しは、いずれ免許取得後にお話します。

※写真上:夏場、毎日のように歩いたまさに内免許への道。写真下:場所を指定してある内免許の通知。

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Presented by 株式会社 ベアレン醸造所 2007年05月20日更新
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